讃岐の風景

讃岐の風土が生んだ優しい手まり

昔々、手まりは日本各地でつくられていました。
各藩の奥女中たちがお姫さまの玩具にと色とりどりの絹糸を使って
艶やかな幾何学模様をかがったものが、
いつしか庶民に広まったといいます。
母親たちは素朴な木綿糸で優美な柄を写しとり、
女の子たちは数えうたを口づさみながら夢中で遊んだことでしょう。

一番はじめは一の宮、二に日光東照宮、三に讃岐のこんぴらさん……。

四国の北東部、瀬戸内海に面した香川県。
その昔は讃岐国と呼ばれ、江戸時代には「讃岐三白」で名を馳せました。
三白とは木綿、塩、砂糖を指し、いずれも
温暖で雨が少ない土地ならではの名産品でした。
そんな三白のひとつである木綿の糸を使い、草木で染めてかがる手まりが、
讃岐地方に伝わる昔ながらの郷土玩具で、
私たち讃岐手まり保存会の原点です。

女性の手から手へと、受け継がれてきた技法を
きちんと守り、暮らしに息づく手まりでありたい。
ケースに入れて眺めるのではなく……。
身近に置いて親しんでいただければうれしく思います。